ロゴスな日常

「もうッ! いい加減にして欲しいわ!」

ロゴスから当初に渡された支度金も底をつき、魔道による通信も途絶えた所為で、仕送りもない。
村立高校の臨時教師の給料なんて高がしれているのに。
しかもあいつらと来たら戦闘以外では全く役に立たない。
毎日大量の買い物をしてもアジトが存在をしられるとまずいので人に運ばせる訳にはいかない為
すっかり二の腕に筋肉がついてしまった。
「ちょっとは手伝って欲しいものだわ!」





アインに買い物を頼んだところ、丁度買い物をしていた親子連れに
「あのおじちゃん、髪型変!」
「シッ! 見ちゃ駄目!」
と言われて以来、引きこもりになってしまった。

そこで。
ツヴァイに買い物を頼んだところ、台所には血を流した獣が積んだあった。

しかたなく。
ドライに買い物を頼んだところ、「う…膝が…関節が…」と逃げられてしまった。
あなた…屋敷内にいたって影を操ることができるじゃない…





「じゃあ…買い物はいいから、掃除とか洗濯、お風呂の準備位はしてくれる?」

全く!水道、電気、ガス…ライフラインが揃っていないってのはどういう事なのよ!
ロゴスも長年こちらに人員を派遣しているのなら、それ位揃えて欲しいわよね。

「…洗濯機もガス湯沸かし器もないが?」
「そんなの自分達でなんとかしなさい!!」…とりあえず村のゴミ捨て場だけは教えた。





ある日。学校から帰ってみると。

「ねぇ…あなた達…」
アイン、ツヴァイは連日のようにゴミ捨て場から洗濯機、掃除機、テレビ、オーディオ、果ては畳まで拾ってきた。

電化製品は壊れていようが元々電気が通っていないのだ。ドライの魔術で動いている。

「ホールにコタツとテレビを置くのはやめなさい!!」

「どうしてだ?このコタツというものは中々離れがたいぞ?」
コタツの布団がもぞもぞ動くとアリア様の頭がぴょこんと出てきた。

「アリア様にまで悪影響が!!
 こんなところに敵が来たら格好悪いでしょーーーーーッ!!」



2006.08.28