約束  真弘×珠紀

「先輩、バイクの免許はどうなりました?」
「じゃ〜ん!!これを見よ!」
自慢げに財布から免許証を取り出す。

「卒業したらアメリカに行くんですよね?」
「ああ! パスポートも申請してきたぞ。」

「バイクはどうするんですか?」
「今、迷っているトコロだ。」

「そうするとアメリカには船で行くんですか?」
「え…あ?(しまった何も考えてなかった)」

「免許っていっても、海外で運転するには国際免許とかが必要じゃないんですか?」
「う…ぐ…」

「英語、大丈夫なんですか?」
「ま…なんとかなるだろ。」

「お金は大丈夫なんですか?」
「ああ…多分…」

「…いつ帰ってくるんですか…」
「おまえの卒業式までには帰ってくる。」

「心配…か?」
「そんなの! 心配に決まってるじゃないですか!」

「先輩は向こう見ずだし! アメリカなんて銃社会だし! いつ撃たれちゃうかもわかんないじゃないですか!」
「俺が銃如きでやられるかよ。あのロゴスに勝った俺だぞ。」

「そうだけど…真弘先輩は向こうの人から見たら小学生以下ですよ。」
「うっせ!」

「…アメリカには金髪碧眼美女がいっぱいいるでしょ…」
「おまえ、俺が節操なしだと思ってないか…」

「じゃあ、約束して下さい。」
「な、何を!?」

「絶対浮気しないって。」
「…浮気はしない…」

「その間が気に入らないッ!」
「だーッ!! なんだよ浮気なんかしねーよ!」

「絶対?」
「ああ。」

「本当に?」
「約束だ。」

…これ以上、何か言われる前にこの五月蝿くて可愛い口を塞いでしまおう。
これが俺の約束。
おまえこそ浮気なんかするなよ。



2006.09.04