◆六章二日目(番外編4)慎司編◆

先輩?真弘先輩どうかしました?
真弘先輩どうかした?
洗面所で血が出るほど歯を磨いていました…
…気にしないで…
先輩。有難う御座います。
ど、どうしたの?突然。
僕、守護五家じゃないってわかってるのに。でも…
でも…?
僕、先輩とキスしたかったんです。
あ、有難う。
先輩?
それって私が玉依姫だからってことじゃないでしょ。
ええ。僕がキスしたいのは先輩だからです。

頬に触れた手から慎司君の熱を感じる。
目を閉じる。

「先輩…」

声が聞こえたと思ったら、唇が触れていた。
一瞬で唇が離れ、また触れる。
短いキスが何度も繰り返される。

もしかして慎司君、慣れてる?
唇が離れた隙に慎司君と距離をとる。

し、慎司君!?

抗議の声をあげ、慎司君を見つめると…
変身してる?
祐一先輩や拓磨とは異なるが、慎司君を取り巻くように文字が円の様に取り巻いている。

慎司君!変身してる!!
チッ…これで終りか…
な、何か言った?慎司君?
いえ。これで正式に僕も皆さんの仲間入りですね。

にっこり。
この天使のような微笑みに何か黒いものを感じるのは私の気のせいなのだろうか??



2006.08.21