◆六章二日目(番外編6)卓編◆

どうしたんですか?何か疲れているようですが。
ええ…気にしないで下さい。
ここは…?
な、なんでもありません!虫!そう虫に刺されたんです!
…いけない虫ですね。
そ…そうですね。あ…の…もう首筋は大丈夫ですから…
本当に?

視線を逸らした瞬間、首筋に唇が触れる。

消毒です。
…あ、あ…の…
他に狗に…いえ、虫に刺されたところはありませんか?
は…はい。
そうですか。それは残念…
大蛇さん。目を瞑っていただけますか?
積極的な女性は嫌いではありません。

眼鏡を外し袂に仕舞う。
何気ない動作なのに見惚れてしまう。

ふわり。

突然視線が突然あがったと思ったら、大蛇さんに抱えられていた。
これは所謂『お姫様だっこ』というモノ?

ではお願い致します。

いつもよりも声が近い。

唇を合わせ

気付いた…抱えられている所為で自分から離れることが出来ない。
大蛇さんに思う存分唇を味わわれた後、ようやく解放された。

ご馳走様でした。

にっこり笑う大蛇さんには変化がないように思えた。
が。
目を開いた大蛇さんは瞳孔が縦に長くなっていた…



2006.08.21