◆六章二日目(番外編7)真弘リベンジ編◆

おまえ…なんか疲れてね?
ええ…あれから色々あって…私はすっかり汚れた大人になってしまいました。
なんじゃ、そりゃ?
フッ…お子様の真弘先輩にはわかりませんよ。
ムッ。
ロマンティックとか…そういうレベルじゃないんです。
おまえ、うるさい。
ムッ。
今は俺といるんだ。他の男の事は忘れろ。

そう言うと振り返らず先を歩いていってしまう。
私も仕方なく後を追って森に入る。

暫く歩くと先輩は開けた場所で立ち止まると指を鳴らす。

風が起こり
落ち葉がクルクルと回り
紅い色がカーテンの様に私達を包む。

綺麗…
だろ?おまえに見せたかった。
先輩、ありがと…

コツン…と頭を軽く叩かれる。

バーカ!
いきなりなんですか!
おまえが馬鹿だからだ。こんないい男を目の前にして他の男の事を考えているから。
もう…先輩ってば。ちょっと見直すとこれなんだから…
珠紀…いいか?
え?あ?

急に真面目な顔をした真弘先輩に戸惑う。
わざわざ言われると意識しちゃうじゃない!
頬に熱が集まってくるのがわかる。
でも先輩の顔も赤い。
それは紅いカーテンの所為なのかもしれない…

でもそんなことなどすぐ気にならなくなった。
だって。
二人の影は重なってしまったのだから。



どわーッ!!俺様、凄くね?この翼ってば!!(バサバサ…)
先輩。くれぐれもゴミ漁りはしないで下さいね…
…おまえ。俺を何だと思ってるんだ…



2006.08.22