◆一章三日目(2)◆ |
さあ!そうと決まったら昼食!! 「珍しいな。今日はパンなのか?」 私のお弁当を覗き込んで祐一先輩が言う。 「今日は記念すべき台所大戦戦勝記念日なのです!」 私は高らかに宣言する。 そう。私の寝不足の原因の一つ。 調べものが一段落した時、仮眠をとれば良かったのだけれど そのまま台所に直行したのだ。 美鶴ちゃんの御飯は美味しい。 だが和食一辺倒なのだ。 今まではそれほど有難いと思わなかったファーストフードが恋しい。 かといって村にはあるはずもなし…そこで自分で作ることにしたのだ。 「これ私が焼いたパンなんです!」 綺麗に並んだロールパンのサンドイッチが四個。 嬉しくなって自慢をしてしまったら… 「うまいな。」 いつの間に!?祐一先輩に一個盗られていた… 「交換だ。」 私の前にはお稲荷さんが一個置かれた。 「やる。」 私の目の前に拓磨がタイヤキを差し出す。 「え?」 「さっき買いに行ったばかりだから、まだ温かい。」 「ありがとう。」 と言って私もサンドイッチを一個差し出す。 「俺も、俺もー!!」 真弘先輩が食べかけの焼きそばパンを差し出す。 「それは結構です。」 「なーんでだよー!!」 真弘先輩は焼きそばパンが如何に素晴らしいかという事を滔々と語り出した。 …私は諦めて「今度だけですよ」と言ってサンドイッチを差し出した。 |
2006.07.27 |