◆三章一日目(3)◆

「た、拓磨はやめてくれ!」
真弘先輩が真剣な様子で迫ってくる。

「俺がどうかしたんすか?」
何時の間にか近くに居た拓磨が声をあげる。

「どうしてですか?」
私が尋ねる。

「それは先輩としての威厳がだな…そうだ!慎司も駄目だ!」

「僕が駄目ってなんですか?」
慎司君が背後から近づいてくる。

真弘先輩は良い事を思いついたかのように指を鳴らす。
「そうだ!大蛇さんがいい!」

「大蛇さん…は遠慮しておきます。」
「なーんでだよ!!」

理由は…キスっていってもディープキスになりそうだとか
キスだけですむかどうかわからなさそうだとか
色々あるけど…真弘先輩には言えないよ〜

「とにかく駄目です。」

「残るは祐一か…」
「ですね。」

うーん。祐一先輩なら、がっついた感じもしないし。
儀礼的に済むかもしれない。

「俺が何か?」
祐一先輩も近くにいたらしい…



2006.08.03