◆四章二日目(2)◆

昼休み。
カミカクシについて皆の意見が聞きたかった。

でも…

それがカミサマの所為でなく
おばあ様や、ううん。美鶴ちゃんが関わっていたら?

そう思うと皆の…とりわけ慎司君の前で聞くことが憚られた。

「珠紀〜!!早くケーキ、ケーキ!!ケーキ食わせろ!」

んもー!人が真剣に悩んでいるのに。
大声で騒いでいる真弘先輩を見ていると
鴉の雛鳥ってこうなのかなぁ…なんて思った。





「今日は私の家に寄ってくれませんか?」
帰り道、大蛇さんが切り出した。

「え?」
「まぁ、そんなに堅苦しく考えないで下さい。」

「何か…皆には秘密にしたい話があるんですか?」
「他の守護者は学校でも一緒ですからね。
 私にも少し位のハンデがあってもよいと思いませんか?」
大蛇さんはニッコリ微笑んだ。





「す、凄…」
大蛇さんの家を見上げて呟く。

「大蛇さんって、職業は何でしたっけ?」
「一応、書道家ということになっていますが。」

「…なっていますが?」
「主な収入源は、株です。」

「えーと。この村でですか?」
「ええ。オンライン・トレーディングというものがあるので。」

…知らなかった。
携帯が使えないから、ネットも出来ないものだと思い込んでいた。
帰ったら早速申し込まなきゃ。



2006.08.08