◆五章一日目(1)◆ |
昨日帰ってから、起こったことを皆に話したら… 「学校に行くのも危ないかもしれないな。」 「私が泊り込みであなたを守りましょう。」 「当然俺が守る。」 「先輩、僕…先輩の役に立ちたいです。」 「だぁぁぁぁぁッ!俺が守るに決まってんだろ!」 …ということになり。 結局五人とも泊り込むことになり、朝から合宿状態になっているのだ。 |
「言蔵さん、僕のおかず…は?」 「犬戒さんはまだ半人前の修行中の身ですので。」 慎司君がションボリと「言蔵さん、このお味噌汁美味しいです…」なんて呟いている。 私は美鶴ちゃんに見つからないように、自分のおかずを取り分けコッソリ慎司君に渡す。 慎司君は黙って頭を下げる。 そんな私達の傍らでは… 「美鶴、おかわり!」 「ついでに、俺も。」 などと真弘先輩と拓磨がおかわりの数を競っている。 美鶴ちゃんはおかわりをよそいながら尋ねる。 「皆さん、おかずの方は足りてますか?」 「あぁ。」 ガツガツガツ… 皆の食事の様子を見ていたら、お腹が一杯になってしまい、お茶を煎れる為に立ち上がる。 「お茶要る人!」 「珠紀様、それは私が…」 すかさず美鶴ちゃんの抗議の声があがる。 「美鶴ちゃんはまず御飯を食べて。」 美鶴ちゃんは先程からクルクル走り回っていたので御飯が殆ど減っていない。 「はいッ!」 「お願い致します。」 「俺も頼む。」 「俺も。」 「先輩、僕もお願いします。」 私は七人分のお茶を用意して居間へと戻る。 相変わらず騒々しいが…美鶴ちゃんと二人っきりの食事よりはマシなのかな? でも今日は美鶴ちゃんが朝・昼食の当番だけれど、明日は私。 こんなこと言ってられなくなるかもしれない… |
2006.08.10 |