◆幕間八◆

「で。どういうことになってるんだ?」
「祐一先輩、説明して下さいよ。」
「珠紀が決めたことだ。」
「だからって何で俺達と同室なんだよ!」
「そりゃ、こんなセクハラ野郎を珠紀の近くの一人部屋にしたら…」
「じゃあ、大蛇さんと同室にすればいいじゃないかよ!」
「おい、おまえら五月蝿い。」
「なんだと!ここは先に俺達がいたんだよ!」
「だからなんだ。先にいた方が偉いとでも言うのか?」
「ああ、そうだよ!偉いね!!」
「フッ…」
「真弘先輩…明らかに馬鹿にされてるッスよ。」
「ああ。そうだな。」
「おまえらなぁ!少しは俺の味方をしろよ!」
「いや、無理だ…」
「無理ッスね…」
「かーッ!!拓磨、歯ぁ食いしばれ!!」
「何で俺なんスか…」
「うるせー!!」
「フッ…子供だな、おまえら。」
「一緒にしてもらっては困る。」
「なんだよ、祐一!」
「まぁ、俺も真弘先輩と一緒にされるのは困りますね。」
「おまえら。好きなオンナと一つ屋根の下にいて何にもしないなんて…皆、子供だ。」
「…」
「…」
「…」
「例えば狐邑の幻術を使って今あいつが入ろうとしている風呂を覗くとか。」
「な!今、風呂に入ってるのか!?」
「ああ。あいつの匂いが今、風呂に向かっている。」
「犬戒の力とは…【嗅覚】なのか?」
「さあ…」
「俺は断る。」
「祐一!なんで、おまえその力を有効活用しない!」
「俺はおまえ達と違って、珠紀とキスまでしている。」
「かーッ!!おまえはどうする、拓磨!?」
「でも祐一先輩の協力がないと…どうするんスか?」
「そんなの直球勝負だ!」
「…策はないんですね?」
「行くのか、行かないのか?鬼崎?」
「…わかった。」



「…なんだよ…水着を着ているなんて。反則だろ?狗谷、わかんなかったのかよ…」
「シッ。真弘先輩!」

「おーちゃん!行って!!」
「ニーッ!」



「あなた達、明日はロゴス襲撃だってわかってるの!?」

…ガッ、ガッ、ゴスッ…

「も…もっと殴ってくれ!!」
「な…なんだ、アレ?」
「これが大人だというんなら…大人にはなりたくないッスね。」



2006.08.13