◆幕間九◆
「逝ってしまったか…」
冷たい月を見上げて呟く。
「アリア様、ここにいらしたのですか?」
カサリ…落ち葉を踏む音が静かな庭に響く。
「…フィーア…」
「もう風が冷たくなってきました。どうぞ、こちらへ。」
「フィーア。」
フィーアの腕の中に飛び込む。
「まあまあ。」
フィーアの細い指が髪を撫でるのが心地よい。
零れる涙をそのままにフィーアの胸に縋りつく。
「…お、まえ、は、ど、こにも、い、くな…」
しゃくり上げながら訴える。
「いつでも、お側に。」
2006.08.16