◆幕間十一 Boy’s Side◆

「よーしッ!!今日こそは成功させるぞ!」
「…今日もやるんッスか、真弘先輩。」
「あったりめーだ!!
 いいか良ーく聞け。昨日は水着だったが、今日はフィオナ先生やあの眼鏡ッコがいるだろ。」
「はぁ…それが何か。」
「ったく拓磨は鈍いな!いーか、突然泊まりに来ることになった二人は当然水着は持っていない。」
「まぁ…そうッスね。」
「珠紀が一緒に入るとしたら水着を着て入るわけにはいかないだろ!」
「…なるほど…」

「真弘、それには一つ問題があるな。」
「何ですか?祐一先輩。」
「珠紀がその二人と一緒に入らない場合、また水着を着ている可能性があるということだ。」
「それなら問題ないですよ。晩御飯の後片付けの時に皆さん一緒に入るって言ってました。」
「よくやった!慎司!」
「…慎司、美鶴も一緒なんじゃないのか?平気か、おまえ。」
「え…あ…あの、僕…」
「どうするんだ、慎司?」
「あの…僕…も行ってもいいですか? でも美鶴ちゃんは見ないで下さいね!」
「よしッ!狗谷おまえはどうする?」
「俺が行かないと何時言った。」
「よしッ、野郎共! 出発だ!!」





「どうしたんだ?」
「ゆ、祐一先輩…うッ、くッ…」慎司は泣きながら祐一に縋りつく。
「慎司、泣いていてはわからない。どうしたんだ、拓磨?」
「…悪夢だ…」拓磨はブツブツ呟いているが視点が定まっていない。
「真弘はどうした?」
「…ここだ。」狗谷は真弘を引き摺り部屋に入ってきた。
「狗谷。」
「…気を失った。」
「どうしたんだ?」
「…風呂に裸の宇賀谷の婆が何人も入っていた…」
「…それは怖いな…」
「ああ。」





「フィーア、どうかしたのか?」アリアは湯船に浸かったまま尋ねる。
フィーアはくすりと微笑む。
「いえ。私が仕掛けた罠に鼠が掛かったようで。」
「罠?」アリアはちゃぷん…と湯船に潜る。
「ええ。とても楽しい夢が見られそうな罠です。」
「やっぱり、フィーアにお願いして良かった!」
「お願い?シビルのお願いで楽しい夢が見られるのか?」
アリアは楽しそうに笑った。



2006.08.17