◆七章二日目(4)◆

「でも具体的にどうしたら良いかなんてサッパリなんですけど。」
「そうですね…まずは鬼斬丸を出現させることですか。」

「それはどうしたら?」
「封印の地に宝具と玉依姫を揃えればいい。」真弘先輩がポツリと言う。

「鬼斬丸が封印されている場所に宝具を持って私が行けば良いってこと?」
「ああ。」

「真弘先輩、もしかして鬼斬丸を壊す方法知りません?」
「だぁぁぁぁッ。知るわけねぇだろ。」
「そうですね。この千年で鬼斬丸を壊そうとした玉依姫はあなたが最初でしょう。」大蛇さんがクスリと笑う。

「ああ。そして最後だな。」拓磨も噴き出す。
「確かに…」祐一先輩も笑い出す。

「やってみるしかないだろう。」狗谷が珍しく微笑みながら言う。
「そうですね。先輩ならば大丈夫ですよ。きっと!」慎司君がニッコリ微笑む。

「よーしッ!そうと決まれば! 前祝にキス!」真弘先輩の声に続いて
キス、キス…の大合唱。

「もぉぉぉぉ!!どうしてそうなるの!?」

「鬼斬丸を壊すにはどれほどの力が必要かわかりませんからね、良いアイデアだと思いますよ。」

「…大蛇さんまで…」

…もう…何を言っても無駄なようだ…

こうなったら逃げるしかない!!





その夜。

おばあ様は美鶴ちゃんと宝具と共に消えた。



2006.08.24